健康な大腸は短鎖脂肪酸が多いオリゴ糖の詳細へ

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短鎖脂肪酸を増やせば便秘は解消できる!

オリゴ糖の中身

自然界に存在する「オリゴ糖」

バナナ、ゴボウ、玉ねぎ、そして人の母乳などには甘み成分があり、その中にオリゴ糖が少し含まれています。

果糖やブドウ糖は単糖、それに対しオリゴ糖は単糖が2~10個つながった少糖類です。

 

なぜオリゴ糖が注目されているのでしょうか?

それは大腸に棲んでいるビフィズス菌を増やすだけでなく、身体や大腸のエネルギー源となる短鎖脂肪酸を増産、腸のぜん動運動を促して便秘解消、腸活に役立つからです

 

人間がもっている消化酵素では分解できない難消化性の糖なので、女性の方や血糖値が気になる高齢者には安心して摂取できるのも人気の一つです。

 

ここから本題です。

短鎖脂肪酸のとは何?

短鎖脂肪酸を増やして便秘解消へ

こんな内容で詳しく解説します。

 

腸内の発酵物質、短鎖脂肪酸とは

一にも二にも大腸の体力を回復させ、ぜん動運動を正常にしなければ便秘は解消できません。

 

カラダと大腸の増強法は違う!

ふつう体力の回復といえば、良質な栄養をバランスよく摂ることから始めます。

カラダの場合は食事から摂った栄養が小腸から吸収され、血液によって全身に運ばれ体力増強をすすめていきます。

 

しかし大腸の場合は違います

脳や心臓、胃や肝臓などは血液によって運ばれた栄養によって活動しますが、実は大腸の腸壁細胞だけは、血液から供給される栄養ではなく腸内細菌の発酵物が栄養になっています

特に短鎖脂肪酸の一つ酪酸は大腸細胞の必須栄養成分であり、これが欠乏すると機能不全につながります!

 

草を食べる牛

巨体な馬や牛がなぜ草だけで生きていけるのでしょうか?、それは腸の中で腸内細菌の発酵によって得られた栄養源(短鎖脂肪酸)に頼っているからです。

これと同じことが人間の大腸で行われているんです。

 

便秘解消=ビフィズス菌・乳酸菌を増やす方法がクローズアップされ常識のようになってますが、本当は腸内細菌が発酵してつくりだす代謝産物(短鎖脂肪酸)が大腸の体力増強に欠かせない栄養であることをわかってください。

 

そしてこの生理現象をすすめるにはビフィズス菌や乳酸菌など特定の善玉菌だけを見るのではなく、全ての腸内フローラを有効化しなければ便秘を治すことはできないということもこれから説明いたします。

 

腸内フローラとは

腸内に棲みつく細菌のことで、人間が生まれたのと同時に口から入って腸内に棲みつきます。

腸内細菌の様子

乳幼児の頃はビフィズス菌が90%以上を占めていますがやがて色々な細菌が侵入、カラダが成長するにつれて腸内には1000種類その数なんと1000兆個以上に膨れ上がります。細菌達の重さは1㌔~1.5㌔とも言われています。

 

お花畑

その細菌達は腸の中で、お花畑(フローラ)のようにグループを作って生息していることから「腸内フローラ」と呼ばれています。

子供の頃に形成された風景は、生命が続く限り一生お付き合いする景色となるので、最初に形成された基本風景は非常に重要になってきます。

またこの風景は誰一人同じものはなく、家族内で同じ食事をしても便の臭いや色が違うのはこの為です。

なんとも神秘的で不思議な世界です。

 

大腸を動かす短鎖脂肪酸とは!

母乳を飲んでいる赤ちゃんは便秘知らず。

赤ちゃん

赤ちゃんのうんちって!

黄色っぽくて酸っぱい匂いがしませんか?

これビフィズス菌が多いだけではありません!

実はビフィズス菌が母乳に含まれるガラクトオリゴ糖や乳糖を発酵して乳酸や酢酸などの有機酸を沢山作っているからなんです。

 

オリゴ糖を発酵させて有機酸を産出する

 

大人になってもこの生産システムは変わることなく、腸内細菌は食物繊維や難消化性の糖質(オリゴ糖やデンプン)を発酵させて乳酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などを1日に20g~30g生産しています。

これらの成分、酸の特性があることから「有機酸」または「短鎖脂肪酸」と呼ばれています。

一番多く作られるのが酢酸、いわいる「お酢」の主成分。「お酢」と聞いただけで便秘に効きそうな気がしますね!

 

腸内細菌の発酵によって作らる短鎖脂肪酸の95%が大腸から吸収され、エネルギー源と生理機能調節因子として使われます。

身体の全エネルギー分の2%~10%をまかなうとまで言われてます。

 

このように短鎖脂肪酸は直接的にそして間接的に大腸にとって必要不可欠な栄養源となり、腸本来の排便力を再生し便秘を根本的に解消させていくのです。

 

短鎖脂肪酸を増やして便秘解消

根本的に便秘を治すには、大腸の体力を増強してぜん動運動を正常な状態に戻さなければなりません。その為には大腸エネルギー源となる短鎖脂肪酸を効率よく生産することを上記で説明しました。

短鎖脂肪酸の原料となる食材を摂る

短鎖脂肪酸は腸内細菌の発酵によってつくられる訳ですが、その原料となる食材を積極的に食べる必要があります。ただ食材によってはその生産効率(発酵率)は違ってきます。効率性の高いものは下記の通りです。

1位、難消化性の少糖類(オリゴ糖

2位、レジスタントスターチ(難消化性デンプン)

3位、水溶性の食物繊維(イヌリン、ペクチン他)

 

そして次の課題は生産工場の整備です。原料が調達できても短鎖脂肪酸をつくる環境が整ってないと効率はあがりません。

ビフィズス菌を増やし強化する

生産工場を整えるには、全ての細菌を管理でき正しく指導できるリーダーの育成が必要になってきます。

その真のリーダーとは善玉菌であり、特に善玉菌の99%を占めるビフィズス菌の強化は最重要課題です。

 

この対策で一番効く方法がオリゴ糖(糖質)の摂取。

シロップ状のオリゴ糖

人間は糖質が大好きですが、ビフィズス菌も同じように糖質が大好物です。ふつう食事からとった糖質(ご飯などの主食)は、小腸で吸収されるため大腸に棲んでいるビフィズス菌のとこまで届きません。

しかし難消化性のオリゴ糖なら、小腸で吸収されることなく大腸まで届きビフィズス菌のエサとなってどんどん増やし強化します。

こうしてまず、腸内細菌のリーダーを育成していきます。

 

ビフィズス菌を増やし強化してもまだ課題は残っています

ビフィズス菌は乳酸や酢酸という有機酸を生産しますが、これだけでは栄養バランスが悪く、大腸の必須栄養である「酪酸」が欠けています。

また超健康な腸内でも20%前後、普通なら10%前後しかビフィズス菌は生息しておらず、さらに50代以降は徐々に減り続け絶対数が少なくなり、便秘を治すだけの短鎖脂肪酸の量を確保することがきません

そこで次の対策となるのが腸内フローラの7割を占める、日和見菌を仲間にすることです。

日和見菌を見方につけて増産

ビフィズス菌を増やしますとさらに良いことがあります。それは日和見(ひよりみ)菌が管理でき仲間にすることができるからです。

日和見菌は名前の通り事の成行きをうかがってから去就を決める菌で、腸内細菌の7割を占める最大勢力です。

悪玉菌の勢力が強いと悪玉菌へ加勢して便秘を助長する。

悪玉菌が多い場合の日和見菌の態度は

 

善玉菌の勢力が強いと善玉菌へ加勢して便秘解消の主役級に。

善玉菌が優勢な場合の日和見菌の態度は

 

日和見菌が味方につけば短鎖脂肪酸の生産能力は倍増!

日和見菌(バクテロイデス属)の性格が善に傾けば、小腸で消化されなかった食物繊維や多糖類(オリゴ糖や乳糖など)を発酵させ短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸、プロピオン酸)をより多く産出します。

またビフィズス菌が産出する乳酸は日和見菌によって短鎖脂肪酸にほとんど変換されます。

腸内フローラの世界でも食物連鎖が成り立っているのです。

腸内でオリゴ糖がそれぞれ違う働きを果たす様子

こうしてビフィズス菌と日和見菌がお互い協力しあううことでより短鎖脂肪酸の生産能力は向上し、大腸細胞により多くのエネルギーを直接抽入することができ大腸の体力は復活、ぜん動運動も活発になり、便秘解消の環境が整ってくるのです。

 

短鎖脂肪酸は便の通りを良くする

便の移動をスムーズにするイメージ解説図

大腸の粘膜には杯細胞(さかずきさいぼう)という粘液を生産する細胞が沢山あり、この細胞が作った粘液は潤滑油となって大腸にある便の移動をスムーズにします。

短鎖脂肪酸(有機酸)はこれらの粘液分泌細胞の代謝にも効果的に働きかけ、粘液の分泌を高めます。

 

【補足説明】

腸内細菌(善玉菌)は、有機酸・短鎖脂肪酸の生成だけではありません。ビタミンB群やビタミンKを合成したり、独自の消化酵素も作っています。

 

オリゴ糖は短鎖脂肪酸を増やす!

便秘に良いと言われるヨーグルト、実はこの中にも短鎖脂肪酸がいっぱい含まれていて、牛乳中のタンパク質や乳糖を乳酸菌が発酵分解して、乳酸、酪酸、酢酸、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸を作り出しているのです。

しかしヨーグルトなど口から摂取する短鎖脂肪酸は、ほとんどが小腸で吸収され大腸まで届きません!

 

そこで小腸で吸収されないオリゴ糖の出番です。

数あるオリゴ糖の中で牛乳成分からつくられた『ガラクトオリゴ糖』

このオリゴ糖は大腸までストレートに届き、ビフィズス菌を増やすだけでなく短鎖脂肪酸の原料にもなって生産効率をあげます

 

ここに参考になる実験報告がありましたので紹介します。

実験報告

ビフィズス菌の増殖グラフ※日本栄養・食糧学会誌Vol45より

ガラクトオリゴ糖の投与実験

健康成人11人(25~60歳)を対象にガラクトオリゴ糖2g、1日1回、20日連続で摂取して糞便フローラの測定をした臨床実験です。

摂取前に比べると10日後にビフィズス菌が増殖、20日後はさらに増殖、そして摂取を中止すると摂取前と有意差がない状態まで下がってます。

11名全員が増加し、8名が顕著な増殖を示したという報告内容になっています。

 

そしてもう一つ気になる報告がありました。

それは糞便pHの変化です。

糞便を調べると酸性になっているぞ

「2gの場合は糞便pHの低下は認められなかったが、1日8gのガラクトオリゴ糖摂取においてはpHの低下が認められた。」と報告してます。

これは何を意味しているかと申しますと、少量摂取(2g)ではビフィズス菌が増えても短鎖脂肪酸の量が少ない、8gと多めのガラクトオリゴ糖を摂取してはじめて短鎖脂肪酸が多く生産されたことを指しているのです。

そして便秘を治す方法としてこの種のオリゴ糖を利用した場合、摂取量の目安となる数値でもあります。

 

また別の実験では、「水溶性食物繊維」と「難消化性オリゴ糖」の短鎖脂肪酸への変換率が報告されていました。(動物実験によるもの)

水溶性食物繊維の変換率は30~60%弱、

それに対し難消化性オリゴ糖は55~70%弱が短鎖脂肪酸に変換されるという報告があり、便秘対策としては食物繊維より有効といえます。

 

原点回帰のオリゴ糖とは

生まれた瞬間からオリゴ糖を飲み腸は育つ!

母乳を飲んで育つ赤ちゃん

母の愛情に勝るものなし!
母乳の中にガラクトオリゴ糖

私達が初めて口にしたのは、お母さんの初乳です。
母乳によって初めて腸の活動がスタートします。

母乳の中には、赤ちゃんに必要な免疫物質があり、その一つに「ガラクトオリゴ糖」が含まれてます。

このオリゴ糖は、ビフィズス菌をどんどん増やし、赤ちゃんの身体や腸の育成を手助けします。

色々な種類のオリゴ糖がある中で、ガラクトオリゴ糖は唯一動物性であり、力強く栄養価が高い、そして何よりもビフィズス菌が最初に摂った栄養素、ここが一番注目したいところです。

 

1、 人生のスタートから深く関わりのあるのが ガラクトオリゴ糖 です。

2 、ビフィズス菌活動の起源、それが ガラクトオリゴ糖 です。

 

便秘が治らないと悩んだ時はもう一度原点、ガラクトオリゴ糖に返ってみましょう!

 

まとめ

便秘を根本的に治すには、腸がもつ本来の能力を再生させなければなりません。その為には有用菌による発酵現象を促し、腸内で短鎖脂肪酸を沢山つくって大腸にエネルギー源を送り込みことです。

この生産効率を高めるのがオリゴ糖であり便秘解消の本質はここにあるのです。

“大腸を栄養失調にさせない!”、これを意識して行動してください。

 

文責:シルキーズ 新井貴信

参考文献

1、オリゴ糖 | e-ヘルスネット 情報提供(厚生労働省サイト)

2、プレバイオティクスから大腸で産生される短鎖脂肪酸の生理効果(腸内細菌学雑誌)

3、大腸内細菌の代謝と代謝産物の作用(明治乳業株式会社 栄養科学研究所・栄養研究部)

4、β 1-4系 ガラクトオリゴ糖のヒト腸内菌叢に及ぼす影響(ヤクルト本社中央研究所)

5、炭水化物の消化・吸収・発酵とその利用(栄養学雑誌)

6、ヤクルト中央研究所(短鎖脂肪酸)

7、腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方(ガラクトオリゴ糖)ジャスティン ソネンバーグ (著), エリカ ソネンバーグ (著) 早川書房

8、やせる! 若返る! 病気を防ぐ! 腸内フローラ10の真実 NHKスペシャル取材班 (著) 主婦と生活社

9、腸で酵素をつくる習慣 自分史上最高の腸になる!高畑宗明 (著) 朝日新聞出版

10、腸が変われば人生が変わる 驚異の腸内フローラ 田中保郎(著)ぶんか社