乾燥肌の原因

肌の保湿成分が奪われている報告書

最終更新日:2019年11月27日
編集:シルキーズ 新井貴信

手洗い

洗い過ぎることで肌が乾燥したり手荒れをすることがありますが、原因を解明すべく興味深い研究データの報告がありましたの紹介します。

それは、医療関係の専門情報誌、花王ハイジーンソルーションNO.1の手指衛生とCDCガイドラインの項目に一つ「手指洗浄剤の科学」にて、洗浄によって肌の保湿成分である「天然保湿因子(NMF)」や「細胞間脂質(セラミド)」がどれくらい奪われているのかを分析した研究報告です。

水、石鹸、低刺激な界面活性剤、よく利用される界面活性剤を比較しながら天然保湿因子、細胞間脂質の溶出量をグラフにして解説されています。
※溶出量とはにじみ出る量

今回はこのグラブが示している数値から乾燥肌の原因と対策を見ていきます。

グラフから見た乾燥肌の原因

ではこのグラフが示している内容を私の目線で読み取ってみます。

水で洗った場合でも天然保湿因子や細胞間脂質は溶出している、つまり奪われている結果となっています。

水による溶出量を見てみますと

天然保湿因子は、約40nmol/cm²

細胞間脂質は、約0.2nmol/cm²

まず天然保湿因子の溶出量が細胞間脂質に比べると、桁違いに多く奪われているのがわかります。

その理由は、アミノ酸が主成分の天然保湿因子は、水に馴染みやすい水溶性の保湿成分だからといえるでしょう。

【数値の補足説明】
mol(モル)とは国際単位系 (SI) における物質量の単位で、1mol(モル)は6.0×10の23乗個の粒子の集団を表し、頭にn(ナノ:1ミリの千分の1)がついているので、実際には想像もできないほど小さい単位・量です。

mol単位について簡単に説明しましたが、化学の専門知識がないと理解しずらいような気がします。

今回のテーマは乾燥肌の原因追究の一環として、界面活性剤によって肌の保湿成分がどれほど奪われているかを説明するのが目的ですから、もう少し分かりやすいように、水による溶出量を1単位として石鹸や界面活性剤がどれほど溶出しているかをグラフにしてみます。
※「MAP、AGSは低刺激な界面活性剤として開発されたもの」と記載されています。

グラフ

天然保湿因子の流失量
(水と比較した場合)

アシルグルタミン酸塩(AGS)は約1.8倍
モノアルキルリン酸塩(MAP)は約2倍
ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)約3.5倍
石鹸(SOAP)は約4倍

グラフ

細胞間脂質の流出量
(水と比較した場合)

モノアルキルリン酸塩(MAP)は約2倍
石鹸(SOAP)は約2.5倍
アシルグルタミン酸塩(AGS)は約3.5倍
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(AES)は約4倍

パッとグラフを見ると、ものすごく奪われているような感じがしますが、実際は想像もできないほど小さな数値・少量の為、今日明日で肌がどうこうなる問題ではありません。

しかし「塵も積もれば山となる」のように、些細な積み重ねが乾燥肌の原因を作っていることは十分に考えられます。

また、肌の乾燥で悩んでおられる方には、小さな数値でも無視できない流失量であることは言うまでもありません。

3つの成分補給で乾燥肌対策

水で洗ったとしても肌の保湿成分である「天然保湿因子」や「細胞間脂質」は洗い流されいます。

ということは、お風呂で長湯をすればその分奪われる量も増えます。そこに石鹸で洗うという行為が加わります。

保湿不足の症状が一番現れやすい所は “すね ”です。

すねトラブル

カサカサしてかゆい、粉を吹いている時は長湯を避け5分以内、お湯は40℃以下にして、保湿成分の流出を極力くい止めましょう。

また洗顔した後に、

ツッパリ感がひどい
むずむずしてかゆい
化粧水を補っても潤いが満たされない
化粧水やクリームがしみることが多い
肌が荒れている

こんな症状が出ている時は、肌の保湿成分がぜんぜん足りていないので、効果的な対策が必要です。

対策スキンケアを説明する前に、肌の保湿成分とな何か?をもう一度復習しますと、

3つの保湿成分

皮脂膜、天然保湿因子、細胞間脂質です。

お風呂や洗顔で奪われた成分を補足するという目的でスキンケアをすることが大事。

つまり、皮脂膜の不足ケアには油分の補給

天然保湿因子の不足ケアにはアミノ酸の補給

細胞間脂質の不足ケアにはセラミドの補給

よくお風呂上りにクリームだけを補っている方が多いと思いますが、これは皮脂膜の不足分だけをケアしているようなもの、乾燥肌対策としては中途半端です。

顔、体、すね、乾燥がひどい場合は、アミノ酸、セラミド、油分の順で補っていきましょう。特にアミノ酸は多めに、一番奪われているのは天然保湿因子ですから。

すねケア

『肌の内側から潤す』、キメ肌にする秘訣です。

まとめ

今回は「花王ハイジーンソルーション」という情報紙で発表された洗浄による天然保湿因子と細胞間脂質の溶出量グラフを見て乾燥肌の原因を探ってみました。

水、低刺激な界面活性剤、石鹸で肌の保湿成分が奪われている検証でしたが、その数値は想像できないほど小さな数値・少量です。

しかし、入浴や洗顔は生活に欠かせない習慣であり頻度も増している今日では、目をそむけることのできない小さな数値とも言えます。

現に、SILK化粧品ご購入者の肌別悩みのアンケート調査では6割の方が乾燥肌で悩んでおられます

肌に必要な保湿成分をいかにして守りながら洗浄をしていくかが、 これらも続く化粧品業界の課題と思われます。